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花が咲いても咲かなくても
こんにちは。Yumikoです。 だいぶ寒くなってきましたね。 こちらは、すっかりと紅葉も終わり、 ぐるり見渡せば、木々は落葉、 夏場には見えなかった遠くの景色が明け透けに見える状態です。 こざっぱりとした清々しさがあります。 一方で、花を育てることに興味が向くようになりました。 早くも、色味が恋しくなった模様です。 そうして、ふと思いだしたのが、ご近所さんのお庭に今春、花が咲いていたこと。 掘り返せば、かつての火山岩がごろごろと出てくるような、 豊かな植生向きとは言い難い土地に、 春の花々が和気あいあいと顔を出していたことを思い出したのです。 ある日、散歩の途中、ちょうど庭仕事をされていたので、ちょっと伺ってみました。 この辺のことは、何でも知っていると評判のご婦人です。 日当たりの良い場所を選ぶこと、 30cm程度掘り返して園芸用の土と入れ替えること、 活きのよい球根を選ぶこと、 水仙を必ず植えること(水仙の球根には毒があり、他の球根と共に植えておくと、動物たちが掘り返して食べることがないのだそう) などを教えてくださいました。 そして最後に、


螺鈿の時間
先日、ドライブがてら入った食堂でのことです。 向かいのテーブルに、とある母娘がやってきました。 それを見たときに、私は思わず落涙しそうになりました。 グレーのニット帽に、くすんだピンクのカーディガンを羽織ったお母さんは、 ご高齢で、だいぶ耳も遠く、 車椅子に乗っていて、たぶん、歩くことも自由ではないようでした。 けれど、とても、とても、とても、幸せそうでした。 そして、娘さんの、車椅子を押す力の込め方や、 マスクをかけてあげる手つきが、 とても、とても、とても、優しいものでした。 日常によくある風景の一つではあるけれど、 私は、もの凄い絵画でも見たかのような気持ちになりました。 お二人の事を何も存じ上げません。 けれど、きちんと時間を味わい消化した人にしか 出せないような彩がありました。 時間をかけることでしか出せない色。 自然の中に 人の中に 伝統と文化の中に。 これ見よがしに見せようとはしない磨かれた色を見たとき、 時間を重ねることでしか産まれない色を見たとき、 やはり、敵わないと感じずにはいられません。 Yumiko


蠍座の季節の調べ
「地を這う蠍は、やがて天を舞う崇高な存在の鷲となる」 蠍座の季節になると、必ず思い出すお話です。 もとは、錬金術の方面の話であるようなのですが、 ひとつの生命が変容を遂げ昇華されいく様に、 人間の限りない可能性が秘められているようで、 美しい希望を感じます。 そして、冒頭の歌詞がまるでそのままであるからでしょう。 このお話と連なるように思い出す歌があります。 「星めぐりの歌」 紺碧の帳に、順繰り星図が浮かび上がる感じが好きで、 夜の深まり増すこの時期、気が付くと、よく口ずさんでいる歌です。 ご存じの方も多いと思いますが、今日は、この歌をご紹介させてください。 あかいめだまの さそり ひろげた鷲の つばさ あをいめだまの 小いぬ、 ひかりのへびの とぐろ。 オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす、 アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち。 大ぐまのあしを きたに 五つのばした ところ。 小熊のひたいの うへは そらのめぐりの めあて。 宮澤賢治 「星めぐりの歌」 Yumiko
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